映画『君の名前で僕を呼んで』美しい恋の話。

2020-07-20映画・海外ドラマ

huluで鑑賞。
どのシーンも美しい。心が洗われるような…ってこのこと。
音楽アルバムを聴き終わったときのような、美術館で作品を観終わったときのような、長い小説を読み終わったときのような、観た後もしばらくこの空気に浸っていたいなって思う綺麗な映画でした。

huluはこちら↓

Amazonはこちら↓

1983年北イタリアの避暑地。
17歳のエリオと24歳のオリヴァーは恋に落ちる。やがて夏が終わる。…というお話。

初恋…というか初めての恋愛というか、そんな初々しい甘酸っぱい恋の空気で満たされた映画です。ううううー青い…これぞ青春・恋愛映画…。
なのですが、登場人物たちが教養にあふれていて思慮深かったりするおかげで、ただの「きゃー！恋しちゃった☆」みたいな映画ではありません。そこが好き。

年齢的にも、たぶん経験的にもオリヴァーの方が少し大人で、最初はエリオを避けているように見えたりするのですが、それも彼と彼の気持ちを思うからこその距離感というところがすごくグッときました。
エリオを本当に大切にしてくれているんだな…って。
エリオは初めての恋に戸惑って翻弄されてしまっていることもあって、2人の距離がまたもどかしい。気持ちを確かめ合うまでがとても…甘酸っぱい！！

甘酸っぱいを連呼しておりますが、この映画果実がたくさん出てきます。夏に実る果実がたぶん2人の恋を表しているんだと、じわじわ感じるとともに…ちょっと切ない予感がします。

この甘酸っぱさと切なさ、そして美しい景色の中で映画は進みます。

ラスト、悲しいんですよ。夏がね、終わってしまう。
それでもただの悲しい映画じゃないのは、エリオの両親が彼らの恋愛に理解があることが大きいです。とくにお父さん。終盤の語り、泣いてしまいました。
お互いを見いだせて幸運だった。悲しみを葬らず、喜びも忘れずに…。
大抵、同性愛＝両親(周囲の人)の反対や批判みたいな構図になっている映画が多い中、新鮮でした。1983年だし。なんていい両親…。

そしてそのお父さんの話で泣いた後の、あの、最後の「何ひとつ忘れない」のセリフ。

タイトルの通り「君の名前で僕を呼び、僕の名前で君を呼ぶ」知性も才能も気持ちもすべてが重なるような2人の短くて切ない、だけどかけがえのない恋の映画です。
私的にすごくお気に入りの映画。
観た人はぜひ、エンドロールの最後の最後まで余韻に浸ってほしいです。

余談ですが、オリヴァーを演じたアーミー・ハマーさん、ほかの作品で観てからかなり好きなんですが、このオリヴァー役やばいです。
自由奔放なのに思慮深く、知的な好青年。彼に恋しているエリオ目線で話が進むということもあり、どんどんキラキラして見えるようになる…。
ファンはもちろん、とりあえず少しでもアーミー・ハマーが気になる人は絶対観るべき。
もう眩しすぎて直視できない。
・・・恋よ！
これは恋だわ！！！

まきこ 川崎によるPixabayからの画像