映画『シカゴ7裁判』なんてタイムリーな裁判だ!→1968年

映画・海外ドラマ

2021年アカデミー賞ノミネート作品。
配信ではNetflixのみで観られる。
かなり前からマイリストに入れていたものの「またずっしり重いやつでしょう…」という気持ちに負けてそのままに。
ノミネートされたので思い切って観た。
とても良い!!おすすめです。

Netflixはこちら↓

1968年アメリカ。民主党全国大会の会場近くには戦争反対を訴える団体が集まる。平和的に行われるはずだったデモは暴動に発展。首謀者とされる7人“シカゴ・セブン”が裁判にかけられる。というお話。

現実に基づくお話、政治、裁判…と難しい映画と思わせる感じだけど、とてもわかりやすくしてくれてる!ありがとう!
開始早々に「こういうことだからね~」というのをテンポよく見せてくれるので、なにも歴史を知らない私も理解して鑑賞できた。
もちろん調べて観てもおもしろいと思う。どうやら史実とは違うところが多々あるようだし。

主には法廷映画です。かなり引き込まれて時間があっという間に過ぎた。
あのー本当にね、ずーーーーっともやもやイライラさせられる!!!
行われるのは不公平で理不尽な裁判。とにかく裁判官がひどい。
平等、平和、正義、人権、そして何より民主主義が死んでる。公平なはずの裁判で。
こんなことあるわけないじゃんって思うくらい。
本当に衝撃的な裁判だったんだなーと。

負け戦が見えているような裁判と、暴動が起きた当日の様子をいったり来たりしながらストーリーは進みます。

俳優さんたちの演技も真に迫っていて緊張感を持たせますね。
出番は少ないけれどマイケル・キートンの迫力よ…。
このキャストたちが一堂に会する映画というだけでも見て損はないレベル。演技も素晴らしい。

果たしてシカゴ7は裁判に勝てるのか?というところなのですが、実は裁判にかけられたのは8人です。

少し前に「こんなことあるわけないじゃん」と書きましたが、私たちは2020年のアメリカを知ってますよね。
この映画が2020年の大統領選にぶつけるように公開されたということも、作品の持つメッセージを力強くしています。この時のシカゴ7で終わりじゃなく、50年以上経ってもまだまだ戦いは続いているんだと。
批判的な報道はフェイクニュースとし、民主主義の結果にも楯突いた人間がアメリカ大統領だったのは、ほんのつい最近のこと。彼は差別的な発言もしていました。
そして悲しい事件から盛り上がったBLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動。
この映画で裁判にかけられる8人目、ボビー・シールは黒人です。

本当にタイムリーな映画なんだけれど、2020年にこのテーマがタイムリーなのも悲しいことだよな。と思ってしまった。こんな昔の話が…。
彼らが戦ったように、私たちも見ないふりして逃げないようにしなければと思う。
あらゆる差別のない、人権の守られた、民主主義が機能する、優しい世界に。
少しでも近づけて次の世代に渡していけたらいいね。

アイキャッチ画像:retzer_cによるPixabayからの画像