映画『LION/ライオン 25年目のただいま』ハッピーエンドとは言い切れない。
実話をもとにした物語。Huluで鑑賞しました。
実話??!って驚くポイントが多い…。
育ての母を演じるニコール・キッドマンをはじめ、役者たちの演技が素晴らしいです。サルーの小さいときを演じてる子かわいい…。
公開当時からかなり話題になっていたものの、絶対に号泣するだろうからおうちで観たいってなってた作品です。
まんまと感動しました。
インドで生まれたサルーは5歳で迷子になり、オーストラリアで暮らす夫婦に引き取られた。何不自由なく暮らすもインドの家族に会いたいという気持ちは募り、グーグルアースで故郷の村を探し始める。…というお話。
迷子になったって言ってもどうしたらそんなに遠くに…?と思っていたのですが納得。電車で数日をかけてかなりの距離を移動してしまった&まだ5歳の子ども…どこから来たのかもわからないまま流されてしまうんですね。その最初の方のサルーが見ていてかわいそうでかわいそうで…。心細かっただろうなー…。保護された施設も劣悪な環境だったのですが、同じ施設の女の子が言っていたとおり「運が良かった」んでしょう。いい夫婦に引き取られて安心しました。
グーグルアースで故郷を探し出したっていうのもすごいことだけれど、5歳の時の記憶がそんなに残っているっていうのが何よりすごくないです?…覚えてますか?わたし5歳の記憶とかぜんぜんないです。なんかこう…自我がないっていうか…何も考えず生きてたら…ねぇ?覚えてないですよね?たぶん。私だけ?
なのにサルーはいろんなことを覚えてるんですよ。給水塔とか遊んだ場所とか、家までの道とか景色とか。たぶん探し出す行動をとらなかっただけで、今まで何度も何度も思い出していたんだろうなって。それだけ思っていた故郷に辿り着けたなんて本当に嬉しかっただろうなと、こちらも嬉しくなります。素敵な実話だわ。
探し出す方法が見つかったとたん、のめり込んでしまうのもわかります。
グーグルアース…いい仕事します。
ただ、理解してくれてるお母さんと恋人を急に遠ざけるところがどうもわからなかった…。お、どうした急に…ってなってしまいました。お母さんはまぁ罪悪感を感じてしまうのはわかる気がするけれど、恋人は別に遠ざける必要なかったのでは…それだけのめり込んじゃったのか彼女の負担になると思ったのか…最後まで待っていてくれる彼女めっちゃ心広いと思います。家族はもちろん恋人にまでいい人に恵まれて…もー幸せじゃないの!大事にしなさいよ!という気持ち。
残念だったのはお兄さん。サルーを探してたのかもしれないですね…。
そして毎年インドでは8万人もの子供が行方不明になっているという事実。
サルーが迷っているシーンで「この後どうなるのかな…」って思ってたら急に「2か月後」とか出てきて、そんなに?こんなに小さい子が路上にひとりで…誰も気づかないってあるー?!?って思ったのですが…ストリートチルドレンが多いってことなんでしょう。
施設もあの状態ですし…。この人生をおくれたサルーがどれだけ強運だったかってことです。その裏ではマントッシュのように心に傷を残してしまったり、生きることすらできなかった子供たちも沢山いただろうことが思われて、単純に「よかったねー!!」だけで終わらせてはいけないような気がしました。
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