映画『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』ラストでやられた。マーティン・フリーマンが良い。

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おもしろかった。久しぶりにAmazonプライムで視聴。
マーティン・フリーマンが出ているホラーと聞いて、観なければ!と。
ストーリーが意外な展開の仕方をするので、すっかり気に入ってしまいました。
マーティンにつられてよかった…。

霊能者や降霊術師のインチキを暴く番組を作っているグッドマン教授。
ある日、彼がかつて憧れた超常現象研究家のチャールズ・キャメロンから呼び出される。死んだと思われていたキャメロンは生きていて、自分の引退、失踪の原因となった3つの事件について調べてほしいという。
これは本物の超常現象なのか、それとも偽物で自分が間違っているのか…。どうか、間違っていると言ってくれ…と頼み込まれたグッドマン教授はひとつひとつの事件について調べ始める。というお話。

ストーリーズというタイトルからしてオムニバス形式なのかな、と思っていたら。なにこれ全部つながってるのねっていうラスト。びっくり。
やや音でびっくりさせる感もあるけど、お話ひとつひとつは正統派ホラー。ドキドキしながら楽しめます。幽霊の登場までがめっちゃこわいです。何度か飛び上がってしまった…。

もともとは舞台劇だったみたいですね。それを演出家のアンディ・ナイマンとジェレミー・ダイソンが自ら映画化したとのこと。

※ここからネタバレ含みます※

3話と思っていたら、最後にもう一つストーリーが…というよりは、全部がひとつのストーリーに組み込まれていたって感じです。これは何回も観てみたくなるやつ!すでに1日で2回観てしまいました私。

全部彼の頭の中のことだったと。伏線がすべて回収されていってすっきりです。幽霊の話かと思ったら、人間の話でした。
人は信じたもの、自分の見たいものを見るんだというセリフが何度か出てくるけど、それと同時に、忘れたい過去や罪の意識からも逃げることはできないっていうことですかね。その通りだと思います。

死ぬ前の夢がこんなだったら嫌すぎる…と思いつつ過去を振り返ってしまう映画でした。自分は最後にどんな夢を見るだろう…。

「人は自分が見たいものを見るんだ」と心霊現象を否定していた主人公が、一番見たくないものばかり見ている、という皮肉なお話。
本当にだんだんおかしくなっていく悪夢みたいな映画でした。

とはいえ、マーティン・フリーマンがとても良い。観てよかったです。好きだ。
あと2話目の男の子は『イミテーション・ゲーム』にも出ていましたね。見覚えがあるのに思い出せなくて調べてしまった…。Netflixのドラマ『このサイテーな世界の終わり』にも出ているみたいです。

私自身、心霊現象は否定も肯定もしないのですが、人の知覚はいい加減なものだなーとは思います。見たいもの、見えたと思ったもの、見えたらどうしようと思ったものが見えてしまったりすることはあると思います。

世の中には目が合っただけで「自分に恋しているに違いない!」と暴走できる方もいれば、その反対に「ケンカを売られた!」と思い込むやんちゃな方もいますし、きっと「故人に会いたい」と思いつめれば声も聞こえてしまうのかもしれませんね。

そういう私も心身ともにダメダメな時期に数度の幻覚を見ています。
「ベランダで鳥が死んでる」というものや「部屋に知らないおじさんがいる」というものですが、うん、両方とも嫌ですね。その他も最悪のやつでした。

どうやら私は「見たいものを見る」よりは「見たくないものが見えてしまう」確率が高そうなので死の間際や昏睡時の夢には期待できなそうです。
夢見る間もなく終わりにさせてほしいですね。